仕事の「目的・見方・判断」を経験から育てる。リクエストが「組織行動科学®の現在地」を無料公開

リクエスト株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:甲畑智康)は2026年10月31日、研究・実践ライブラリ「知と実践」の中に専用Webページ「組織行動科学®の現在地」を無料で公開した。同社は、980社・延べ33.8万人の働く人のデータを基盤に、組織行動科学®の研究と教育開発に取り組んでいる。新しいページは、仕事の目的・見方・判断を経験から育てることを中核に据え、理論の背景と同社での統合・活用を図解したものだ。想定する読者は、仕事を教える人や任せる人、人材育成・組織開発の担当者、仕事や支援を見直したい働く人。本人の経験、仕事の条件、相手との関係、周囲の支援を捉え直し、次に確かめることを選べる内容になっている。閲覧は無料で、登録も不要だ。

研究基盤から三つの実践まで、相互に参照できる構成
同社はこれまでも、各実践ガイドや研究資料を通じて、参照する理論や仕事への活用を公表してきた。今回の専用ページでは、組織行動科学®全体の研究基盤、個々の理論の背景、組み合わせる際に保つ違い、三つの実践との関係を、相互に参照しながら読めるように構成している。
研究基盤として図示されているのは、理論・学術研究と、同社が蓄積してきた働く人のデータだ。この共通基盤から、仕事に応じて三つの実践へとつなぐ。前提や可能性を問い直す「アート思考」、出来事の意味を捉え直す「ロジカルセンスメイキング®」、本人が確かめて選べる条件を整える「判断デザイン®」の三つで、必要に応じて行き来する同社の体系として示されている。
五つの理論・研究領域を「仕事で確かめること」から読む
ページで取り上げているのは、成り立ちや説明する対象が異なる五つの理論・研究領域だ。それぞれの関係図と「仕事で確かめること」が、項目を開く前から並べて表示されている。
- 行動科学(行動分析の視点):行動が起きた状況、その後の結果、次の行動との関係を見る
- 経験学習:経験を振り返り、得た考えを次の仕事で試す過程を見る
- 成人学習:本人の経験・目的・役割と、学ぶための資源や機会を見る
- 自己決定理論:取り組む理由と、それを支える周囲の関わりを見る
- 自己効力感:特定の条件で、その判断や行動を実行できるという見込みを見る
一つの仕事について、何が起きたか、本人がどう捉えたか、何を選び、どこまで実行したかを、それぞれの観点から確かめられる仕組みだ。なお、この五つは同社が参照する研究基盤の一部であり、組織行動科学®の全体系を五つだけに限定するものではないとしている。
各理論の詳しい項目には、中心概念、研究の対象・方法・知見・限界、同社での活用、原典へのリンクが配置されている。外部研究で示されたこと、自社の実践で観察したこと、そこから提案する方法、今後確かめることを区別し、どの条件で何を確認できるかを明示した。また、980社・延べ33.8万人という数字は、企業研修・実務支援・行動観察・振り返り・対話記録などを通じて蓄積した研究・実践の基盤であり、個別の方法を同一条件で全員に実施して効果を測った人数とは区別しているという。

Organizational-Andragogy®として「考え方」を育てる
同社は組織行動科学®をOrganizational-Andragogy®と定義し、「組織で働く成人の研究と教育開発」を行っている。仕事で何を大切にし、どの事実を見て、どう判断するのか。その考え方を、経験と相手の反応から育てることを中核に置く。本人が目的や捉え方、選んだ方法を確かめ直し、条件の違う次の仕事で使い直せるよう、仕事・役割・情報・周囲の支援を合わせて設計するという考え方だ。
具体例として図解されているのが「依頼への返答」だ。誰の何をよくしたいか、どの事実を確かめるか、何を選び試すかを示したうえで、相手が返答を使って何を決められたか、何が進み、新しい必要が見えたかを確かめ、次の仕事で目的・見方・判断を見直す往復を描いている。その中で、教える側・任せる側も、自分たちの見方と関わり方を自ら見直す。AIを使う仕事についても、何のために使い、何を根拠に選び、相手の役に立ったかを確かめる視点を提示しており、関連する「仕事の見方を広げる。」ページの体験・研究へ進んで、自分の判断に引きつけて考えられるようになっている。

約2週間ごとに知見を確認し、「現在地」を更新
公開後は約2週間ごとに、新しい一次研究に加え、重要な原典、研究統合、反証や異なる結果、適用条件、確認済みの自社公開実践を確認する。読者の理解や仕事での判断に役立つ変更は、本文・図・出典へ反映していく。実質的な変更がない回は内容と表示上の更新日を保ち、確認した範囲と資料の採否理由を記録する。読む量や記入の負担を増やしすぎず、研究の詳しさと図・文字の読みやすさを両立させる方針だ。
「知と実践」は、研究と実践で得た知見を、働く人が自分の仕事で使い、確かめ直せる形で届ける公開ライブラリ。今回の専用ページからは「仕事を見直す実践室」「仕事を教える実践室」「研修を企画する実践室」へ進み、自分の具体的な仕事に応じた次の行動や支援を検討できる。運営するリクエスト株式会社は、組織行動科学®を共通の基盤とする8つの研究機関からなる企業で、「成果につながる方法を、本人が使える仕事へ。」を軸に、研究・教育開発と、仕事の方法・判断する機会・周囲の支援の設計に取り組んでいる。
出典:組織行動科学®︎












