「相手の仕事」から問いを立てる 営業・管理職向け図解実践ガイド『相手の仕事から、考え始める。』が無料公開

組織行動科学®の研究・教育開発を手がけるリクエスト株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:甲畑智康)が、図解実践ガイド『相手の仕事から、考え始める。』を無料で公開しました。対象は、営業、管理職、育成担当者、部門間の連携に関わる人です。同社は、980社・33.8万人の働く人のデータを研究の基盤としています。資料の副題は「自分たちの成果につなぐ、問いと経験のつくり方」です。仕様はPDF・A4横・全9ページで、考える起点の比較、効果と効率の見方、14名のリーダー研修での観察、具体的な会話例、次の一件で使える確認シートを収録しています。

最初に置く問いが、確かめる情報と提案を変える
同社は、ひとつの問いを投げかけています。「何を売るか」「何を教えるか」「何を渡すか」を決めるとき、相手が次にどんな仕事を進めようとしているかを、どこまで確かめているか、という問いです。そのうえでガイドが整理しているのは、相手の仕事を起点に問いと提案を組み立て、その結果から自分の見方を更新する経験です。
営業を例にとると、「何を、いくら買ってもらうか」から考える場合は、購入量や予算、購入時期に目が向きます。これに対し、「相手は何を実現したくて、どこで仕事が止まっているか」から考える場合は、仕事の流れや判断に必要な情報、まだ決められないことが確かめる対象になります。資料の中心に置かれているのは、二つの問いを結びつけて考えることです。一つは、相手の仕事が進むために自分たちが何を担えるか。もう一つは、その働きかけが自分たちの成果にもつながるかです。
また、「誰の仕事から考えるか」と「効果・効率」は分けて扱います。効果は、目指した変化が起きたかという観点です。効率は、投入した時間や労力に対して成果がどうだったかという観点です。たとえば比較資料を渡した後には、相手が案を比較して承認依頼を出せたかを確かめます。同時に、双方の作成・確認・手戻りの時間も見ます。相手の仕事に起きた変化と、仕事全体の負担を併せて見ることが提案されています。

14名のリーダー研修で観察されたこと
取引先構成図の重要性を半年以上伝えてきた研修で、14名のリーダーに実際に図を作成してもらいました。すると、必要性を理解し始め、対話の進め方が見えてくる様子が観察されたといいます。作成中に生まれた疑問と、それまでの説明が結びついた可能性があり、半年間の説明も理解の下地になったと考えられるとしています。この観察を出発点に、考え方を伝えることと、その考え方を使って事実を見て判断する経験を組み合わせることが検討されました。
なお、これは講師の観察に基づく実践の整理です。14名の考え方の定着や業績への効果、説明と作成それぞれの寄与を測定したものではありません。また、980社・33.8万人という数字は同社の研究基盤の紹介であり、資料の手順の効果を検証した対象数ではないと明記されています。

考え方を育てる4つの経験と、確認シート
資料では、考え方を育てるために次の4つの経験をつなぐことを、職場で試すための提案として示しています。
- 相手の仕事を確かめる:何を進めたいか、今どこで止まっているかを聞く
- 想定と事実を比べる:自分が思っていたことと、本人に確かめたことの違いを見る
- 一部を変えて試す:どこを補うと進みそうか、相手と決めて小さく試す
- 結果から見方を更新する:相手の仕事に起きた変化と、自分たちの成果・負担を確かめる
架空の会話例も、考え方と具体的な仕事をつなぐ形で収録されています。たとえば、資料を送れば仕事が進むと思っていたところ、相手には承認依頼のために担当者の負荷と開始時期も必要だったと分かる場面です。その情報を比較表に加えて使ってもらい、承認依頼を出せたか、手戻りが減ったかを確かめる流れが描かれています。管理職や育成担当者については、本人が試す時間、相談先、任せる範囲も一緒に整えることが挙げられています。「相手の立場で考えて」と伝えた後に、本人が相手の実際の仕事に触れ、結果を確かめられる場面を用意するという考え方です。
確認シートでは、「提案した一件」「教えた一件」「引き継いだ一件」から取り上げる仕事を選びます。そのうえで、相手の次の仕事、まだ未確認のこと、次に一つ試すこと、結果を確かめる日・相手を整理します。長い報告書を作る前に、具体的な一件を相手と振り返るためのシートと位置づけられています。
関連研究と、適用する際の範囲
資料では関連研究として、Eyalら(2018)を紹介しています。この研究では、相手の考えや感情などを予測する25の実験が報告されています。相手の立場を想像する指示では、理解の正確さは一貫して高まりませんでした。一方、最後の実験では、会話で本人の視点を得ることにより、予測がより正確になったとされています。同社は、この研究が相手の仕事を想像した後に本人と事実を確かめることの参考になるとしています。ただし、資料の手順全体、営業成果、考え方の定着を直接検証したものではありません。会話例・確認シート・経験の組み立ては、職場で試すための同社の提案だと説明しています。
出典:組織行動科学®︎












