JSTQB、生成AIを使ったテストのシラバス(CT-GenAI)日本語版を無料公開

生成AIをソフトウェアテストに活かす知識を体系化
ソフトウェアテスト技術者資格の認定を運営するJSTQB(ソフトウェアテスト技術者資格認定組織)は、2026年10月28日(水)に、Specialistシラバスの日本語版「生成AIを使用したテスト(CT-GenAI)Version 1.0 J01」を公開しました。
このシラバスは、大規模言語モデル(LLM)をはじめとする生成AIをソフトウェアテストで活用するための知識をまとめたものです。扱う範囲は、生成AIの基礎、テストタスクへのプロンプトエンジニアリングの適用、ハルシネーションやデータプライバシーなどのリスク管理、LLMを利用したテストインフラストラクチャ、テスト組織への導入です。元になっているのは、ISTQB®が2025年7月に発行した「Certified Tester Specialist Level Testing with Generative AI(CT-GenAI)v1.0」で、今回のシラバスはその日本語翻訳版です。
対象は、テスト担当者、テストアナリスト、テスト自動化エンジニア、テストマネージャー、ユーザー受け入れテスト担当者、ソフトウェア開発者など、ソフトウェアテストに生成AIを使用するすべての人です。さらに、プロジェクトマネージャー、品質マネージャー、ビジネスアナリスト、ITディレクターなど、ソフトウェアテストへの生成AI活用の基本を理解したい人にも適した内容とされています。
シラバスで学べる4つのポイント
テストプロセス全体での生成AIの使い方
テスト分析(受け入れ基準やテスト条件の生成)、テスト設計とテスト実装(テストケース、テストデータ、テストスクリプトの生成)、自動リグレッションテスト、テストモニタリングとテストコントロールまで、テストタスクごとに生成AIの活用方法を取り上げています。
タスクに合わせたプロンプトエンジニアリング
役割、コンテキスト、指示、入力データ、制約、出力形式の6つの要素で組み立てる構造化プロンプトと、プロンプトチェーン、Few-Shotプロンプト、メタプロンプトの3つの技法を、タスクの特性に応じて使い分ける方法を学べます。生成結果を評価するためのメトリクスや、プロンプトを反復的に改良する技法も盛り込まれています。
生成AIを使用する際のリスクへの対処
ハルシネーション、推論エラー、バイアスの特定と軽減、LLMの非決定的な動作への対処、データプライバシーとセキュリティ、エネルギー消費と環境への影響を扱います。あわせて、ISO/IEC 42001やEU AI法など、関連する規制・標準・フレームワークも紹介されています。
テスト基盤づくりと組織への導入
検索拡張生成(RAG)、LLM搭載エージェント、ファインチューニング、LLMOpsといった、LLMを利用したテストインフラストラクチャの考え方を解説しています。加えて、シャドーAIのリスク、LLM/SLMの選定基準、導入の3つのフェーズ、テスト担当者とテストマネージャーの役割の変化も取り上げています。また、各章には演習を通じて理解を深めるためのハンズオン目標が設定されています。
章構成と入手方法
シラバスは次の章で構成されており、JSTQBのウェブサイトのシラバスページから無料でダウンロードできます。
- 第0章:本シラバスの紹介
- 第1章:ソフトウェアテストのための生成AIの概要
- 第2章:効果的なソフトウェアテストのためのプロンプトエンジニアリング
- 第3章:ソフトウェアテストにおける生成AIのリスク管理
- 第4章:LLMを利用したソフトウェアテスト用テストインフラストラクチャ
- 第5章:テスト組織への生成AIの導入と統合
- 第6章:参考文献
海外でも通用する資格を運営するJSTQB
JSTQBは日本でソフトウェアテスト技術者資格認定を運営する組織で、各国のテスト技術者認定組織が参加するISTQB(International Software Testing Qualifications Board)に2005年4月から加盟しています。JSTQBが運営する資格はISTQBを通じて相互認証されており、海外でも有効です。
JSTQBが公開するシラバス(学習事項)は、ソフトウェアテストの技術情報としても活用できる内容です。同組織は、シラバスの活用を通じて日本のソフトウェアテスト技術者の技術向上に貢献したいとして、シラバスを無料で提供しています。












